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「顔」は、重要な個人情報です!

「顔」は、重要な個人情報です!

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顔認証システムは、現在、スマートフォンのログインやショッピング決済、部屋への入退室、イベントへのチケットレス入場、ビジネスにおける顧客行動の分析や犯罪防止など、さまざまな用途で利用されています。

 

顔認証のメリットとしては、

①パスワードを忘れる心配がない
②両手が塞がっていてもハンズフリーで認証できる
③なりすまし防止
④接触しなくてOKなので衛生的

などが挙げられます。

 

しかし、便利な一方で、プライバシーに関しては、充分に注意する必要があります。
「顔」は、重要な個人情報です。そのため、データの取り扱いには細心の注意を払う必要があります。個人情報保護法においても、顔に関連するデータは「個人情報」と明示されています。
企業が顔認証システム導入後のトラブルを防ぐためには、「利用目的を本人に通知・公表したうえで運用する」「利用目的を超えたデータの乱用をしない」などの規定を事前に設けておくようにしなければなりません。

 

昨今、顔認証システム導入については、「プライバシー侵害の恐れ」や「大衆監視への懸念」など、社会的に問題視されることも増えています。
JR東日本が、2021年7月から導入した顔認識機能を備えた防犯システムは、同年9月に指名手配中の被疑者や不審者について検知を継続しているという報道があったことから、社会的な問題として浮き彫りになりました。
日本弁護士連合会(日弁連)は、公共性が高い駅構内での顔認証システムの運用はプライバシー権を著しく損なう恐れがある上に、すべての人を監視対象にすることにもなりかねないことから「自由な市民社会が脅かされる」ことを懸念し、2021年11月に、鉄道事業者における顔認証システムの利用中止を求める会長声明を発表しました。

声明文によると、すでにEU諸国では、公共の場での不特定多数に対する顔認証システムの運用を原則禁止としており、アメリカにおいても州法などで法規制が進んでいるそうです。

 

先日9月29日、北海道旭川市で日弁連の人権擁護大会に合わせて開催された「デジタル社会の光と陰」というテーマのシンポジウムでも、この問題が取り上げられ、さらに欧州と比較して、多くの国民が無自覚にGAFA(Google、Apple、Facebook、Amazonら米IT企業の総称)など民間企業による個人情報の利用を許している現状を受けて、プライバシー権をどう守っていくかなどを思案していかなければならないという認識を、改めて共有する機会があったようです。

 

先に出たJR東日本の件で多くの人が問題視したのは、報道で明るみに出るまで、同社が詳しい運用方針を十分に公表していなかった点です。

企業も私たち市民も、初めてこの問題に直面しています。企業側は、まだ充分ではない点があったとしても、その時点で最善の方針を考え、課題については真摯に丁寧に説明することが大切です。市民側もただやみくもに批判したり不安視するだけではなく、事実を学び、自分たちの未来を少しでもよくしていくには、今後どうしていくべきなのか。時間をかけて粘り強く、問題を自分ごととして捉えて、共に検討していくという自覚が求められているのかもしれません。

 

私たちが今できることは、便利さを無自覚に享受するだけでなく、面倒でも利用規約やプライバシーポリシーを毎回確認すること、疑問があったら調べたり質問したりしてできる限り明確にすることなど、常に意識して知識も対策もアップデートしておくことではないでしょうか。

 

<参考記事>
他人事ではないJR東日本の監視カメラ問題、多様化する「顔認識技術」導入リスク(日経クロステック)

https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00989/093000065/

 

プライバシー侵害の懸念…鉄道事業者の顔認証システムは直ちに中止を 日弁連が声明
https://response.jp/article/2021/11/28/351742.html
https://news.yahoo.co.jp/articles/f7e70dd3184d29e1d668404f0f6c4efec4c146dc

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