朝ドラ「舞い上がれ!」人気でトレンド入り「内定辞退」から学ぶこと！

NHK連続テレビ小説「舞いあがれ！」（https://www.nhk.or.jp/maiagare/）第71話が1月13日に放送されました。主人公の福原遥さん演じる岩倉舞が、目黒蓮さん演じる恋人の柏木弘明と破局して、朝から重い展開に視聴者が大荒れになりました。
その影響は大きく、その後の「Yahoo!リアルタイム検索」で「柏木学生」が1位になると共に、「内定辞退」が2位にトレンドイン。すると今度は、「内定辞退」が一人歩きし、twitter上で話題に。奇しくも2019年、個人情報保護に関する大きな問題となった「リクナビ事件」（当時、就活生の内定辞退率を企業に販売するサービス「リクナビDMPフォロー」が大問題に。現在は廃止）が再浮上してトレンド入りする事態になりました。
私もご多分に漏れず、トレンドに「内定辞退」が入っていたため、本件を知りました。

 

そこで今回は、これをきっかけに、リクナビ事件の概要と問題点を取り上げた記事をご紹介しつつ、そこから学んでいきたいと思います。

 

＜リクナビ事件概要＞
2019年8月、株式会社リクルートキャリアが運営する就活サイト「リクナビ」が、就活生の内定辞退率を本人の同意なしに予測して、有償で38社に提供していたことが報じられました。同月、個人情報保護委員会から勧告・指導があり、同年9月、厚生労働省から行政指導を受けました。個人情報保護法に抵触する新たな事実が確認されたことで、同年12月にも再び、個人情報保護委員会から勧告・指導を受けたという事件です。

 

リクナビ事件の問題は、先に紹介した記事によると、下記が挙げられるそうです。

１）個人情報保護法違反（利用目的公表不十分で同意無効）
２）責任主体が曖昧
３）職業安定法に違反の可能性
４）信義誠実の原則に反する
５）優越的地位の濫用
６）辞退率推定の不正確さ
７）機械的判断による多様性の欠如

 

リクルートは、当時、DMPフォローの法的不備について以下の3つを取り上げていたとのことです。

１）アンケートスキームにおける、取扱いデータの個人情報該当性判断についての不備
２）ハッシュ化に関する誤認識に基づき、本人の同意なく個人情報を第三者に提供
３）プライバシーポリシーの更新漏れによる同意取得の不備

 

当メディアでも繰り返しご紹介していますが、今回も問題を避けるために利用者は何ができたのかという観点で考えると、「利用規約をしっかり読む人が少なかった」という問題があります。
以前、当メディアの記事でもご紹介しましたが、
アメリカで、22,000人が利用規約を読んでいないために、「トイレ掃除をすることに同意してしまった」という嘘のような本当のニュースを取り上げたことがあります。

 

また、先の記事によると、2020年に公正取引委員会が行った「利用規約がどれだけ読まれているか」の調査によると、まず、「SNS等を利用する際、当該サービスの利用規約があることを知っていますか」という問いに対し、54.9%が「知っている」と回答したが、33.3%が「存在は知っているが、どこにあるのかは知らない」、11.8%が「知らない」と回答。約40%の人が利用規約を気にしていないことが分かったそうです。

 

これらのことを考慮すると、利用規約をしっかりと読んでいる人はごく一部で、利用規約を読まずに同意してしまう人がほとんどであることが分かりますよね。リクナビ事件のような危険を回避するためには、とにかくまず「利用規約をしっかり読むこと」！これを徹底するしかありません。

次に、企業側として、注意できる点としては、「利用規約が圧倒的に読みづらい」という点を解消するということが挙げられます。そもそもなぜ利用規約が読まれないのかという理由は明白です。利用規約が圧倒的に読みづらいからであることは間違いありません。

プライバシーメディアでは、利用規約やプライバシーポリシーのわかりやすい書き方などもご紹介していますので、この機会によろしければぜひご覧ください。

 

●分かりやすい！プライバシーポリシーと利用規約 -①利用規約-
https://privacy-media.jp/articles/policyterms1/
●分かりやすい！プライバシーポリシーと利用規約 -②プライバシーポリシー-
https://privacy-media.jp/articles/policyterms2/

 

参考記事：

https://acompany.tech/privacytechlab/rikunabi-privacy-protection-what-is-the-problem-2019/